赤色をいかに大事に焼いていくか、が今後の課題だと思っています。理想はやはり、最初に出会ったあの“赤”ですから。
1個いいものを作るのに300個くらいは失敗するもの。ちょこちょこ温度調整をしたり位置を変えたりする作業自体が楽しいし面白いんですよ。
博物館で出会った天目茶碗。まさに宇宙を感じました。人の手の及ばなさが、天目の魅力。
普通、だけどちょっと違う、くらいが好きです。もっと自分の作品を見直し、深める時期にきていると思う。
「余計なものを削ぎ落とし、人に伝える」―能楽の美しさは、白瓷にも通じると思います。
いかにも、なものではなく、「自分らしい」作品を作りたい。決まったものがあるわけではない、面白いと思ったことは作品に活かしたい。
気になったこと、好きなもの。モチーフは日々の生活から得ています。皆同じ、にはしたくないんです。
焼くことは、窯に作品を“委ねる”こと。それまでやってきたことの結果が全て出てくる。だからこそ、そこに至るまでにどれだけ自分の思いを入れ込むかが大事なんです。
純粋に『ものをつくりたい』という思いから陶芸をはじめました。器は使ってこそ生きるもの。どんな料理にも似合う器をつくりたい。
釉薬の色って、料理のレシピと同じで無限大なんです。自分にしか出せない名刺代わりの色を見つけたい。