皆さん、こんにちは。
まだ、暑さは残っていますが、そろそろ秋の気配を感じますね。
先日、西岡義弘さんの工房を訪ねました。
西岡さんの作品といえば白磁で、凛としたとても上品な印象です。
青白瓷縞 花生
ほんのり青味がかかった青白瓷で縦に縞のように筋が入ったとても美しい作品です。
このような美しい作品を作る西岡さんという方はどんな方なのでしょう。
このギャラリー洛中洛外のHPに「作家インタビュー」というコーナーがあります。こちら→作家インタビュー
今までもこのギャラリーの作家さんを何人かご紹介しています。
今回の西岡さんのインタビューもそのコーナーにアップするための取材です。
プロのインタビュアーの方とカメラマンが取材されます。
私もいつもそこに同行させてもらってます。
作家さんとはギャラリーに来られた時にお会いはするのですが、やっぱり作っておられる場に伺うとその作家さんの人となりや作陶に対する思いなどが伝わってきてとても興味深く、いつも楽しみにさせてもらっています。
西岡さんの工房はギャラリー洛中洛外のあるここ、清水焼団地からほど近いところにあります。
西岡さんの工房の表札。
なんと読むのか‥その真意は?
それは後ほど。。
工房の中にお邪魔し、窯などを見せて頂きます。
この窯からあの美しい作品が生まれてくるのですね。
窯の棚板の上にも作品が並べられています。
その後‥
いよいよインタビューが始まります。
工房内でインタビュアーの方から取材を受ける西岡さん‥。
私もお話を聞かせてもらいました。
西岡さんは昭和34年京都生まれ。
まず陶芸を志したきっかけは学生時代に民芸運動に出会い、柳宗悦の文章に共鳴したことだそうです。
柳宗悦は朝鮮陶磁器の美しさを唱え、また無名の人々が手仕事によって作る日常品の美しさを改めて世に知らしめ、民芸という言葉で表した思想家です。
その柳宗悦の思想に共鳴し、もともとモノづくりを生業にしたいと思っていた西岡さんは陶芸の道に入ることになります。
昭和58年、24歳の時京都・五条坂の藤平陶芸の藤平伸さんという作家さんの師事を受けることになります。
そこで、そのお人柄も仕事も大変個性的だった藤平さんに影響を多く受けたそうです。
その後京都府立陶工職業訓練校、京都市工業試験場研修コースを経て、再び、藤平陶芸に勤務、そしてその後宇治、炭山の工房に勤務ののち、平成12年、41歳の時に自宅にて工房を構えられ、独立されます。
今は西岡さんの作品といえば、白磁というイメージが強いですが、はじめは色んなものを作っておられたそうです。
そのうち、西岡さんの白磁の作品を見られた方に「あなたは白磁をされるといいのでないですか?」といわれ、それがきっかけで「これ一本でやってみよう」と白磁の道に入られることに。
白磁はその名の通り白い磁器。中国陶磁や李朝陶磁にも魅かれた西岡さんは自分なりの白磁を作ってみようと白磁の世界にのめりこんでいかれます。
白磁はシンプルだけどシンプルゆえに形や質感がストレートにわかるものです。
同じような材料を使って同じように作っても貫入の出方など同じようにはできない。
白という色だけに見る人がイメージを広げやすく、そしてどんな料理にも合いやすい白磁。
見る人、使う人が自由にイメージを膨らませやすい白磁は西岡さんの趣味である能の世界に似ているそうです。
能装束こそ派手なものもあるけれど、動きはシンプルそして芯をしっかり持つということが大事ということが共通しているそうです。
そして、見る人が自由にイメージを膨らませやすいのも似ているそうです。
西岡さんが能や謡を趣味にされているのは知ってましたが、そこに作陶との共通点を見出しておられるなんて、初めて聞きました。
そう聞くと、西岡さんの作品がますます高貴なものに思えてきます。
作品についてお話される西岡さん。