皆さん、こんにちは。今日も内田裕子さんの工房を訪ねての後篇をお送りします。
次は絵付けの様子を見せて頂きました。すごく細い筆で金をつけているところです。
あの繊細な内田さんの作品がこういう風に絵付けされているのか‥と思いとても興味深く見せて頂きました。
←アップしてみました。
金で枠を縁取りしている様子。
この行程を経て、何度か絵付け、焼成と進み、作品が完成します。
作品にもよるそうですが、多い時には一つの作品で5回も焼成する場合もあるそうです。
金や絵の色によって焼成する温度が違うことや、作品全体にびっしりと描き詰められている場合、一度焼かないと次の絵付けをするときに持つところがないので焼成したり、など色々な理由があるそうですが、内田さんの作品から丁寧に作られている雰囲気が伝わってくるのはこのような行程を繰り返して作られているからとその理由が少しわかった気がしました。
工房の窯。これを作動する時はものすごく工房全体が暑くなるのでどこかへ避難します、とおっしゃってました。
金で縁どりして絵付けされた作品。「ふわふわ小花豆皿」
では、内田さんはどのような思いで作品づくりをされているのでしょう。
インタビュアーの方が「ご自分の作品のここを見てほしい、というところはありますか」と質問をされました。
内田さんはそう聞かれて「いえ、そんなたいそうに考えてないですけど‥」と恥ずかしそうにされつつ「(作品を見て)愛しく思ってもらえたら、それで嬉しいです」とおっしゃいました。
その時私も内田さんの作品は「愛しい」という形容詞がぴったりだと思いました。
そして内田さん自身もきっと作品一つ一つを愛しく感じながら作陶されているのでしょうね。
でもそういう気持ちも心に余裕を持ったり、何か美しいものを見たりしないとなかなか維持できないように思います。
内田さんはプライベートでは現代美術を見に行くのがお好きだそうです。日本美術や焼き物も見には行かれますが、あまりにも仕事と直結しているため一生懸命見られるため疲れてしまうそうです。
もっと時間があれば旅行や山登りなんかしたいんですけど‥ともおっしゃってましたが、内田さんはわざわざ遠くへ行かなくとも、日常の何気ない日々の中でも楽しいこと、美しいものを見つけられるのが上手なんだな、そしてそれを作品に表現されているんだなあ、と感じました。
インタビュアーの方とお話される内田さん。
工房に置いてあった作品たち。
「これから何か目指しておられることなどありますか」
という質問に対して「このままきちんと描いていきたい、自分でデザインした更紗や古紋の柄などを描いていければ‥」とおっしゃってました。
目の前のことを一つ一つ手を抜くことなく誠実に、そして楽しんで(時にはアイデアを考えるのに悩まれて)作陶されていることがこのインタビューを通して伝わってきました。
そして、あの優しくて楽しい人を引き付ける作品が生れる場所を見ることができ、私にとってもとても楽しい時間でした。
これを読んでもらっている皆さんにもそれが伝わったでしょうか?
内田さん、ありがとうございました。これからも楽しい作品を楽しみにしています。
このインタビューはギャラリー洛中洛外のHPの作家紹介のコーナーでアップされる予定です。
またアップされたらお知らせしますね!そしてこの内田裕子さんの作品はギャラリー洛中洛外でも色々と扱っています。
ぜひ、内田さんの愛らしい作品たちを見に来て下さい♪
(ごく一部ですが、ギャラリーHPでも作品を扱っています。こちらをクリック→ ☆)
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