皆さん、こんにちは。ギャラリー洛中洛外ブログ担当のKです。
先日、陶芸作家の内田裕子さんの工房を訪ねてきました。
ギャラリー洛中洛外のHPに作家インタビューのコーナーがあります。
今回はその第4弾。
インタビュアーやカメラマンの方たちに同行させて頂きました。
私が内田さんの作品と初めて出会ったのは、ある個展会場ででした。
そこで見たうつわに思わず引き寄せられました。こんなうつわ見たことない、と思いました。
醸し出される温かい雰囲気、そして優しい色合いと高台の裏にまで繊細に描かれたその仕事に誠実さを感じました。
そして目の前には内田さんご本人がいらっしゃって、気さくに話しかけて下さいました。
私は見ればみるほど、どうしてもどれか一つ家に持って帰りたくなり、苦労してぐい呑を一つ選びました。
今でも時々出してみては眺めています。
←これがその時のぐい呑。
そういういきさつがあったので、その後ご縁があり、うちのギャラリーに内田さんの作品が並んだ時にはとてもうれしかったことを覚えています。
今でも新しい作品が入る時はわくわくします。
←内田さんの作品。
さて、いよいよ内田さんの工房へー。
内田さんの工房は京都市山科区と大津の境にあります。自然が多く工房の裏は山林になっていて環境の良いところです。
内田さんの工房にて。。。
インタビュアーの質問に答える内田さん。
内田さんは1961年、京都市左京区生まれ、奈良教育大学を卒業した後、瀬戸の窯業訓練校で一年間学ばれました。
そのあと、陶芸家の滝口和男さんに師事されます。
1998年に独立されてそれからは東京・大阪・神戸など各地で個展を開き、現在陶芸家として忙しい毎日を送っておられます。
内田さんの作品に多いのは古典的な古紋などの柄にうさぎや犬などのほのぼのとした可愛いモチーフとの組み合わせ。
←内田裕子作 「桃からそば猪口」‥格子柄の中に桃太郎のお話が可愛い絵で描かれている作品。
このように伝統的な柄を描くことが多いのは、もともと、お母様が着物の仕立ての仕事をお家でされていたそうで、着物の反物は常に家の中にあり、古紋などの柄を目にすることが多かった影響かなとおっしゃいます。
ほのぼの系の可愛いモチーフは内田さんの作品の魅力となっていますが、内田さん自身の息抜きにもなっているそうです。
こういうモチーフのアイデアはどのようにして、出てくるんでしょう。
内田さんはその時、自分の興味のあることや日常のくらしの中からヒントを得るんです、とおっしゃいます。
たとえば、去年、NHKで「カーネーション」というドラマ(ファッションデザイナー小篠綾子の生涯を描いたドラマ)を見ていたことからそこでよく出てきたミシンの絵をぐい呑に描いたとか、甲子園に野球を見に行った後、野球場の絵を描くとか、ご自分の思いや日常をそのまま作品の上に表現されることが多いそうです。
そういう自然な思いを作品にされるので、内田さんの作品は共感を呼ぶ、親しみやすい作品になるのでしょうね。
そうはいっても、アイデアに煮詰まることもよくあるそうです。
200個作品を作らないといけないとしたら、180までは何とかアイデアが出てくるけれど、あと20はなかなか出てこないそうです。
私などからしたら、180まで考えられることがすごいと思いますが‥。
5個組の作品でも、同じ大きさ、アイテムのものでも同じ絵柄ではなく、どこか絵や配置を変えて描いておられるそうです。
←内田裕子作 「市松三角小猪口」
五つとも同じように見えて、よく見ると色や柄が少しずつ違います。
こういうところが見る人を飽きさせない、引き付ける要因なのでしょうね・・
どのような思いで作陶されているのか、もっと知りたくなりました。
さて、このインタビューは次回へと続きます。
作陶にかける思い、そして絵付けの様子なども見せてもらったり、好きなことや趣味など伺います。
お楽しみに♪
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