郷まつりー狂言編ー

皆さん、こんにちは。昨日で清水焼の郷まつりが無事終了しました。

ご来場いただいた沢山のお客様、本当にありがとうございました。

今年は夏から秋に移行して初めての「郷まつり」で、どれだけのお客様が来て下さるか心配だったのですが、予想以上のたくさんの数のお客様が来て下さって驚きました。嬉しい驚きでした。雨には降られましたが、色んなイベントもあり、楽しんでいただけたことと思います。

色んなイベントの中でも、お客様からも「楽しかった」とのお声もあり、私自身も実際見てとても面白かったのが「狂言」です。

この「狂言」の公演は二日目の15日、土曜日の夜6時半から清水焼団地内の特設会場で行われました。

それまでパラパラと降っていた雨も公演の間は狂言の熱気にかき消されるかのように上がっていました。(余談ですが、今回出演いただいた大蔵流狂言方 茂山良暢さんはいわゆる「晴れ男」(能楽師の方に失礼な言い方でごめんなさい)で色んな屋外の公演の時、どんなに雨が降っても公演中はピタッと雨が上がるそうです。そして、今回も‥。すごいですね)

まず、公演の前に能楽師大蔵流狂言師の方から日本の伝統芸能「狂言」についての説明がありました。

 

狂言4.JPG 狂言は安土桃山時代から続く世界最古のお芝居(喜劇)で(イギリスのシェイクスピアより古く)180ある演目の内容も、小道具も始まったときから今まで、そのままの形で続けられているそうです。

 

世界遺産にも登録され、日本無形文化財でもあります。

もともとは神様に対しての神事であり、穀物の収穫や人々の健康祈願を願って演じられたといいます。

国技である相撲と同じような位置づけにあるそうです。

 

そして、いよいよ公演の始まりです。演目は「ふくろう」

兄弟と山伏の三人が登場人物です。

あらすじは、山に入って帰ってきてからふくろうにとりつかれて正気を失った弟を心配した兄が、元に戻そうと法印(山伏)に加持祈祷を頼みます。

狂言3.JPG真ん中がふくろうにとりつかれた弟。左が兄。右が法印です。この法印を演じておられるのが、茂山良暢さんです。

ふくろうにとりつかれた弟は時折「ホウホウ!」と叫びます。

法印が一生懸命祈祷しても治らず、弟は「ホウホウ!」と叫びます。そのうち、兄の様子がおかしくなってきました。

そして、この兄までが「ホウホウ!」と叫びだします。この病気が兄にまでうつってしまったのです。「ホウホウ!」と言っていた二人はとうとうばったりと倒れてしまいます。

狂言2.JPG

 

 

 

 

 

 

このあたりで会場は爆笑の渦が沸き起こりました。そして、倒れた二人は退場。

しかし残された法印の様子もおかしい‥。とうとう法印も両手をあげて「ホウホウ!」と叫びました。そうです、祈祷していた法印にまでのりうつったのです。ここで会場は大爆笑、そして大きな拍手が鳴り響きました。

私は見ていて、狂言師の方の所作に魅了されました。ゆっくりと落ち着いた所作、そんなに激しい動きではないのに躍動感がすごく伝わってきてひきこまれます。言葉ももっと難しいかと思ったけど、意外とすんなりわかりました。

お話も全然難しくなく、子どもからお年寄りまでわかるような内容です。

この「ふくろう」は180ある演目のなかでも面白い演目の部類だそうですが、もっと面白い演目もまだあるそうです。このお話でも面白いのにもっと面白いお話って‥。どんなのかとても気になります。

なんだか、今回の公演で狂言の魅力にちょっとはまりそうです。

 

ちなみに、この茂山良暢さんの狂言の舞台が11月11日に東京の国立能楽堂で、18日に京都の観世会館であるそうです。

興味をひかれた方は一度見に行かれてはいかがでしょうか。

(お申し込みは忠三郎狂言会事務局?075-432-6655)

 

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